これからの相続コンサルティングのあり方【BAMC不動産部 増子 和】
日本における相続コンサルティング業務は、相続そのものを専門としている税理士が不足しているため、広く一般化しているとはいえません。
2015年相続税の基礎控除額改正以降、実質増税となり日夜ニュース等で報道されていた事も記憶に新しく、首都圏の自宅を相続しただけでその対象になり得ます。
課税資産の多くは土地・建物といった不動産が大部分を占め、その評価方法で納税額に大きな差が出ることも、しばしば見受けられます。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?
不動産価格は「一物四価」と言われるほど、複数の価格があります。
相続に関する評価額は基本的に「路線価方式」、地域によっては「倍率方式」で「固定資産税評価額」を基に算出します。
土地の形状や大きさ、道路付け、利用形態などによりその評価額にも多大な影響を及ぼすのです。評価額とは異なる時価額(実勢取引額)に影響する不動産固有の法令上の制限や権利関係、造成費用を伴う高低差、不動産の将来性・・等。財産を引き継ぐ相続人にとって、どの不動産を活用・保有・運営・処分するのが最適なのかシミュレーションが検討されないまま、税理士は相続申告業務のみ、不動産業者は売買取引あるいは管理業務受注のみを目的とした提案がなされております。
今まで相続税対策といえば、土地の有効活用や生命保険の活用など、各分野の専門家の扱う商品・サービスを売り込むための手段としてアドバイスされてきました。
銀行や建築会社の営業マンは、融資による負債をつくらせ、賃貸マンションやアパート建設の営業の切り口として土地の有効活用を提案しています。土地の利用形態を変えることや負債を抱えることは節税手法の一つとして有効な手段です。しかし、それが最適な手段かどうかは専門家による検証が必要でしょう。
生命保険のファイナンシャルプランナーは、当然ながら相続を材料として生命保険を売り込みます。その内容は自社利益優先で、相続対策に貢献できているとはいえません。このような偏った分野のアドバイスだけでは、相続を抱える多様なニーズに応え、利益が最大化されるような戦略的な財産承継を進める事はできません。
財産のすべてを包括的にアドバイスできる専門コンサルタントが求められているのです。不動産の活用~処分まで、企業経営、金融資産運用、生命保険のみならず、民事信託や海外資産を含めた幅頃い知識。すべての分野の横断的な財産管理アドバイスと、税負担を最小化させるスキームの有機的に組み合わせた包括的な相続コンサルティング業務が必要不可欠です。
これらを実現するためには、各分野の志ある専門家が連携しなければなりません。
不動産の専門家、資産税に精通した税理士等が連携できる仕組み、それを支えるプラットフォームの構築が必要です
「ぎんざ相続プラザ」では資産税に精通し経験豊富な税理士が多数在籍しております。また不動産業務に特化した人材や士業のネットワークも完備。
少子高齢化が急速に進んでいます。これまで蓄積してきた資産が取り崩される増税時代に入り、資産をどのように管理・運営するか、いかに次世代へ承継できるかは重要な課題です。
「ぎんざ相続プラザ」はそんな課題解決の窓口となることでしょう。